コンテンツマーケティングに関する、以下のお悩みをお持ちではありませんか?「コンテンツマーケティングをなんとなくしか理解できていない。」「どのように始めたらよいかわからない。」「コンテンツから集客する自信がない。」本記事では、このようなお悩みを抱える会社に向けて、コンテンツマーケティングの始め方を8ステップに分けて解説します。概要やコンテンツマーケティングのメリット・デメリット、コンテンツSEOとの違い、導入事例も紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。コンテンツマーケティングとは?コンテンツマーケティングを簡潔にお伝えすると「コンテンツ(情報)」を使って、「マーケティング」を実施することだと考えてください。見込み顧客に対して価値あるコンテンツ(情報)を出していくことで、興味・関心を抱いてもらい、最終的に購買や資料ダウンロードなどのCV(コンバージョン)につなげるのが主な役割です。いきなり商品やサービスを売り込む広告とは異なり、価値ある情報を先に提供することで信頼感を醸成し、時間をかけて自社のファンになってもらう施策です。コンテンツの定義コンテンツとは、「情報」であるとお伝えしましたが、どの情報がコンテンツの対象になるのか判断が難しいですよね。コンテンツと言えば、テキストベースでの情報を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、基本的には情報すべてがコンテンツの対象になり得る、と考えていただくとわかりやすいでしょう。コンテンツの種類テキストや画像、オンラインやオフラインかに限らず、見込み顧客に対して発信するすべてのコンテンツが対象です。コンテンツの種類配信先テキストメールマガジン、雑誌、ホワイトペーパー、オウンドメディア、SNSなど写真オウンドメディア、SNSなど動画オウンドメディア、SNS、動画プラットフォームなどオンラインセミナーコーポレートサイト、セミナーポータルサイト、動画学習プラットフォームなどオフラインセミナー・イベントオフラインセミナーの開催場所コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの違いよく混乱を生みやすいマーケティングに「コンテンツSEO」があります。SEOとは、「SEO=Search Engine Optimization」の略であり、「検索エンジン最適化」です。つまり、検索エンジンを活用して見込み顧客の検索ニーズを満たすコンテンツを投下することで、マーケティングを行う手法が「コンテンツSEO」だと言えます。確かにコンテンツSEOもコンテンツマーケティングに内包される手法ではありますが、コンテンツSEOの範囲はあくまでも検索エンジンに掲載できるコンテンツが対象である点に違いがあります。一方で、コンテンツマーケティングの主戦場は検索エンジンだけにとらわれず、オンライン上すべてのコンテンツ、オフラインまでもが対象です。より広義な役割を担うのがコンテンツマーケティングだと覚えてみてください。コンテンツマーケティングのメリット・デメリットコンテンツマーケティングの概要を把握したところで、メリット・デメリットを整理しておきましょう。メリットデメリット顕在顧客だけでなく潜在顧客との接点も増やせる短期的な効果は見込めないWebサイトや店舗への訪問者を増やせる継続的に配信・発信し続ける必要がある広告費用を抑えることもできるコンテンツ制作に時間と労力がかかる顧客ロイヤリティを高められるコンテンツが資産になるコンテンツマーケティングは、ためになる情報や価値ある情報を提供することで、見込み顧客が自社に対して自然に興味や関心を抱きやすくなります。使う手法によっては顕在顧客だけでなく、潜在顧客にまでアプローチできるのが強みです。またアプローチ先もSNS・コラム・動画プラットフォームなどにコンテンツを投下できるため、自社の露出面が増え、Webサイトや実店舗への訪問者も増加するでしょう。なおコンテンツマーケティングの中でも、コラムやオウンドメディアで配信したコンテンツに関してはWebサイト上にストックされます。制作する初期費用こそかかりますが、一度検索エンジンで上位を獲得してしまえば、順位変動の影響を大きく受けない限り、中長期的な集客効果が見込めランニングコストを抑えられます。ストック型のマーケティング手法のため、リスティング広告のように毎月の広告費が発生しない点は最大のメリットでしょう。次にデメリットとしては、コンテンツを制作するための時間や労力がかかる点が挙げられます。コンテンツマーケティングが流行しているから思いつきで始めてみた結果、担当者が忙しくなりコンテンツを更新できないパターンはあるあるではないでしょうか。また、ブログやコラムを投下してもGoogleが認識し検索上位に表示されるまでには、数週間から数ヵ月かかるケースも珍しくありません。SNSでコンテンツを投下する場合でも、潜在顧客が自社のファンになり、売り上げやリード獲得などのCV(コンバージョン)を発生させるには、言うまでもなく一定の時間が必要です。失敗しにくいコンテンツマーケティングの始め方ここからは、コンテンツマーケティングのメリット・デメリットを理解した上で、失敗しにくい始め方を解説します。1.課題を整理するコンテンツマーケティングを始めようとする背景には、何らかの課題があるはずです。例えば、「これまで新聞広告や折込チラシで見込み顧客を獲得してきたけれど、別の集客経路も模索しなければ販路拡大が難しい」「新商品の売り上げが伸び悩んでいる」など。新商品の売り上げが伸び悩んでいるのであれば、なぜ低迷しているのかその原因も分析しておきます。例)近くに競合が出店し実店舗への来客が先月比で40%低下している など。このように課題とその原因が明確でなければ、打つべき対策も見えてきませんので、まずは課題の把握に努めてください。2.現状分析を実施する課題を把握したのち、まずは自社が置かれている足元の状態を分析します。分析の際に重宝するさまざまなフレームワークがありますが、ここでは「3C分析」を紹介します。3C分析とは、顧客「Customer」競合他社「Competitor」自社「Company」の3つを軸として、自社が置かれている市場環境を分析するフレームワークのこと。3C分析を実施することで、「顧客」であれば顧客の属性・購買履歴・購買動機の理解につながり、顕在ニーズのみならず潜在ニーズの発見にもつながります。「競合他社」であれば、自社と類似した商品やサービスにおいて、どのようなコンテンツマーケティング施策を実施しているのか、強みや弱みは何かを把握できます。そして、最後に「自社」を分析し、競合他社や顧客から見た商品やサービスの強み・弱みを洗い出してみましょう。3C分析を行うことで、競合ではまだ顧客を満たせていない自社ならでの強みにフォーカスできます。【Customer(市場・顧客)の分析項目例】法律・税制・規制景気動向・経済成長率流行・世論・インフラ新規参入の脅威代替品の脅威顧客属性(年齢・性別・年収・職業など)・購買履歴(商品ごとの売上も含む)購買動機・購買行動顧客の潜在ニーズ【Competitor(競合他社)の分析項目例】売り上げ市場シェアや事業規模代替されそうな商材の有無商品やサービス利用者の属性開発力や資金力今後参入する他社の有無業界内外でのポジションや影響力顧客数強み・弱み【Company(自社)の分析項目例】自社商材の特徴(強み・弱み)商材ラインナップ3大経営資源のリソース(ヒト・モノ・カネ)市場シェアマーケティング施策自社商材の売上や利益企業理念やビジョン開発力3.ペルソナを作成する課題を把握し、自社が置かれている現状を分析できたところで、次にペルソナを作成します。ペルソナとは、自社商材の対象となる典型的なユーザー像のことです。想像でペルソナを決めるのではなく、自社の顧客情報を基に「デモグラフィック」「サイコグラフィック」を特定し、そこからペルソナを作成するのがおすすめです。◾️デモグラフィックとはデモグラフィックとは、人口統計学における「属性」のこと。自社を利用する顧客の年齢・性別・年収・学歴・職業などを洗い出すことで、狙うべきターゲット層が明らかになります。なお、ここで大切なことは自社の顧客属性を一つに絞ることではなく、あくまでもどのような属性を持つ顧客がいるのか整理することです。なお可能であれば3C分析の段階で、デモグラフィックを抽出してしまうと効率的です。<デモグラフィックの調査の仕方>ユーザーアンケート自社の顧客に対してアンケートを実施する。年齢・性別・職業・住まい・結婚の有無などを確認。そのほか、なぜその商品を購入したのか理由を聞くのもあり分析ツールGoogleアナリティクスやSNSアナリティクスデータを活用して、ユーザー属性を洗い出すことも可能◾️サイコグラフィックとはサイコグラフィックとは、心理学的な属性のことで、具体的には価値観・趣味・宗教・ライフスタイルなどを分類します。具体的なペルソナを作成するためには、顧客の属性であるデモグラフィックだけではこころもとないです。サイコグラフィックで顧客の価値観や趣味なども深掘りすることで、ターゲット層の解像度が高まります。サイコグラフィックもデモグラフィック同様に、ユーザーアンケートや自社のお問い合わせデータなどを分析することで洗い出せるでしょう。またサイコグラフィックも可能であれば、3C分析の段階で抽出してしまうと効率的です。「デモグラフィック+サイコグラフィック=ペルソナ」最終的には、上記のようにデモグラフィックとサイコグラフィックの変数を使って、ペルソナを絞り込む作業をしていきましょう。なおペルソナを無理に1パターンに絞り込むのではなく、まずはデモグラフィックとサイコグラフィックの情報に基づき、複数パターン用意しておくとよいでしょう。4.課題と3C分析を軸にペルソナパターンと打ち手を検討する次にコンテンツマーケティングの始め方1で紹介した「課題」と、「3C分析の結果」を軸に、該当するペルソナパターンと打ち手を検討します。例えば、「競合が近くに店舗を構えて実店舗の売上が低迷している」課題を抱えている場合、3C分析を行うと競合は実店舗に注力している分、ECサイトやオウンドメディアには力を入れていない結果が得られたと仮定します。次に自社の実店舗において売り上げや利益に、より貢献しているペルソナパターンを選んでください。最後に打ち手を考えます。(次に紹介するカスタマージャーニーマップで詳細な打ち手を検討するので、この段階ではおおまかなイメージで大丈夫です。)このケースであれば、競合がまだ力を入れていないECサイトやオウンドメディアなどのインターネットを主戦場に、決定したペルソナパターンに対してマーケティングを行うイメージが浮かびます。5.カスタマージャーニーマップを作成する次に、決定したペルソナを基にして、「カスタマージャーニーマップ」を作成します。カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスを認知してから情報収集・比較や検討・購入・購入後に至るまでの道のりをマップに起こしたものです。設定したペルソナの状況をフェーズごとに記すことで、その時々の顧客に対する自社の打ち手(アプローチ)を考えるために活用します。フェーズごとに打ち手を考えることで、営業チーム・マーケティングチーム・カスタマーサクセスチームなど部門の枠を超えて連携を図るイメージが醸成されます。具体的なカスタマージャーニーマップの作り方に関しては、本記事で解説すると長くなってしまうので改めて別記事で解説をさせてください。6.必要なコンテンツを洗い出す例えば、競合が実店舗に強くインターネット市場に弱い場合、オンラインでの施策をどのように織り交ぜるかを考えていきます。これは前述でお伝えしたカスタマージャーニーマップの時間軸ごとにコンテンツを考えていくとよいでしょう。具体的には、「認知・興味」の段階であれば「オウンドメディア」を活用しコンテンツSEOを展開する、「比較・検討」段階であれば自社の魅力を訴求したホワイトペーパーを比較サイトに掲載してもらうなどです。また必要なコンテンツを洗い出すタイミングで、施策の実行可能性についても判断しましょう。社内リソースの把握や組織(部署)編成についても検討しておくことで、戦略的なコンテンツマーケティングにつながります。万が一、自社で対応不可能な施策がある場合は、そもそも実行する必要があるのか?外部委託は必要かも検討します。7.KGIとKPIを設定する(上記は、KPIのまとめ方例)KGIとは、「Key Goal Indicator」の略で日本語では「重要目標達成指標」のことです。簡潔にお伝えするならば、コンテンツマーケティングを展開する際に洗い出した「課題」を解決してどうなりたいか、というゴール。例えば、自社サイトからの売り上げを月間1,000万円獲得したいといったゴールが考えられます。次にKPIとは、「Key Performance Indicator」の略で日本語では「重要業績評価指標」のことです。簡潔にお伝えすると、先ほど設定したKGIを達成するために必要な中間目標だと考えてください。投下するコンテンツ施策に応じて、それぞれに目標を割り振ります。例えば、カスタマージャーニーの認知・興味の段階で、自然検索では◯セッションを集め、SNSからは◯セッションを集めるなど。これらのKPIは視覚的にもわかりやすくチームで共有できたほうがよいため、上の画像のようにKPIツリーを作成しておくのもおすすめです。8.コンテンツを制作するどのコンテンツを投下するのか、コンテンツにどれだけ人を集めればよいのか方向性が定まった上で、コンテンツを制作するフェーズに移行しましょう。コンテンツ制作には時間も費用もかかりますので、社内リソースと外部委託をうまく使い分けることが肝要です。またコンテンツは一度公開して終わりではなく、毎月KPIの達成状況をモニタリングし、必要に応じて改善を加える運用フェーズにも力を入れる必要があります。コンテンツマーケティングの事例|リゾート・別荘メディア株式会社にしがき様は、1950年8月に食品卸売業「西垣冷菓有限会社」として京都府で創業。スーパーマーケット事業やリゾートマンション・別荘地の分譲などを行うマリントピアリゾート事業を展開されています。現在は上記に加えて、レストラン・マリーナ・宿泊施設・リゾート会員権事業と規模を拡大し、2020年には関東エリアに進出。シェア別荘会員権であるResidence Villa(レジデンス ヴィラ)も展開し、既存のリゾート会員権では味わえない邸宅仕様の一棟貸切型施設で、贅沢な時間を過ごせます。今回新たな集客経路を模索され、リゾート・別荘のオウンドメディア「ラーネット」を運営。記事コンテンツは未投下の状態で、Any Whereにご依頼をいただきました。新規施策とのことでしたので、3C分析からスタートし、にしがき様の強みと競合他社の弱みを総合的に洗い出し、2パターンのペルソナを作成。競合他社では満足しきれない新たなターゲット層の獲得に成功し、オウンドメディア運営初年度でリードを227件獲得し、ROIも304%達成しております。事例の詳細は以下よりご確認ください。>>株式会社にしがき様 別荘&リゾートメディア「ラーネット」ご支援初年度リード獲得227件まとめ本記事ではコンテンツマーケティングの始め方を8ステップでご紹介しました。コンテンツマーケティングを実施することで、自社がこれまで集客できなかった潜在顧客にアプローチできたり、資産性が高く中長期的に見れば費用対効果が高まったりと、数多くのメリットがあります。一方で、見込み顧客に先に価値を提供し、徐々に信頼感を醸成してからCV(コンバージョン)につなげるというマーケティングの性質上、即効性は期待できないのが現状です。「どの企業も導入しているからコンテンツマーケをやりたい」「広告のCPAが高騰しているからコンテンツマーケティングで費用対効果を高めたい」このような短絡的な理由でスタートすると、かえって挫折につながる可能性が高いでしょう。コンテンツマーケティングを検討する際は、本記事でお伝えした「失敗しにくい始め方」を押さえた上で、必要に応じて費用対効果を事前にシミュレーションするなどの対策も重要です。コンテンツマーケティングの戦略的運営にお困りでしたら、ぜひAny Whereにご相談ください。>>Any Whereのサービス内容を記したお役立ち資料はこちら>>まずはオウンドメディア運用について問い合わせをする>>Any Whereのオウンドメディア運用支援の内容はこちら